本日令和5年3月14日、泉南市立一丘中学校第48回卒業証書授与式が挙行されました。
一丘中学校48期生のみんな、卒業おめでとう

今日は、式中に行われる、校長の式辞を紹介します。
式 辞
2か月の休校からはじまった中学校3年間の生活が終わろうとしています。今日はその3年間の生活の象徴となったマスクをはずしてみなさんにお話させていただきたいと思います。
この先、みなさんは「コロナ世代」などと呼ばれるのかもしれません。大人はなぜか世代をひとくくりにして表現するのが好きです。みなさんより少し上の世代の若者たちは「Z世代」などと呼ばれたりしています。しかしみなさんは決して「世代」で生きているのではありません。「〇〇世代」とひとくくりに表現されることには心の中で抵抗してほしいと思います。
多様性を認めることが大切だとよく言いますが、それは、障がい、性の問題、国籍の違いの話だけではなく、大人も子どもも世代の違いをお互いに認め合うことの大切さも含まれます。私は60歳になりますが、これからはもっと若い友だちをたくさん作りたいと思っています。世代を超えて、対等に意見を言い合える友だちをたくさん作りたいと思っています。「〇〇世代」なんて関係のない話。48期生のみなさんともこれからはぜひ友だちになってほしいと願っています。
さて、これから友だちとなるみなさんへ。校長という立場での最後のメッセージを三つ伝えたいと思います。
「友よ、失敗せよ。」一つ目は「失敗」についてです。
人間にはいろいろな「権利」があります。その中でもせっかく私たちに与えられているのに簡単に手放してしまいがちな大切な「権利」があります。「それは失敗する権利」です。「これまでそうだったから」という習慣やルールに身をゆだねて生きるのは楽かもしれませんが、「なぜそうするのか?」という問いを自分で立て、道に迷ったら、失敗をおそれずチャレンジする方向を選んでください。すると当然失敗することがあります。良いではありませんか。大いに失敗してください。そしてそれを次に活かしてください。
「友よ、自由を求めよ。」二つ目は「自由」についてです。
自由という言葉にはとても広い意味があります。ここでいう自由とは「自分で選び、自分で決める」という自由です。これを大事にしてほしいです。自己選択、自己決定できるということが人間にとって一番幸せなことです。そしてもう一つ大事なことは他人の自由も守ることです。自分の自由と同時に、他人の自由を大切にできる本当の意味の自由人であってほしいと願っています。
「友よ、地球人であれ。」三つ目は「地球人」についてです。
日本人ではありません。80億分の1の地球人であることを忘れないでください。大地震で5万人以上の人が亡くなって悲しみに暮れている国や地域があるのに、なぜわざわざ戦争で人の命を奪い合う国や地域があるのか。なぜ一緒に暮らすこの小さな星を自分たちで傷つけていくのか、そんなことに憤りと矛盾を感じ続け、行動に移してほしいです。
「失敗せよ」「自由を求めよ」「地球人であれ」この三つを一丘中学校第48期生のみなさんへのはなむけの言葉としたいと思います。
最後に、友よ。本当にありがとう。学校に来てくれてありがとう。こんなマスクの生活に3年間協力してくれてありがとう。学校の主役は誰かと尋ねたらみんなで「生徒」と答えてくれてありがとう。クラブ対抗リレーを復活させてくれてありがとう。一緒に遊んでくれてありがとう。一緒に歌ってくれてありがとう。毎日私たちに元気をくれてありがとう。
みなさんは私の宝物です。幸せに。元気でね。
令和5年3月14日 泉南市立一丘中学校 校長 大泉 志保